認知症の中核症状とは(見当識障害&理解力・判断力の低下)

福祉の話

認知症について、分かりやすくしっかりとお伝えしていきたいと思います。

・見当識障害とは

・理解力・判断力の低下とは

・私の体験談

前回もお伝えしましたが壊れてしまった脳の細胞が担っていた役割が失われることで起こる症状「中核症状」と言います。今回はアルツハイマー型認知症の主な中核症状である、見当識障害判断力の障害について説明していきたいと思います。

■見当識障害とは

『時間』『場所』『人』、自分の置かれている状況を理解する力が低下します。

例)日にち、曜日、時間が分からなくなる

  慣れた場所や近所でも道に迷ってしまう。

更に進行すると…自分の周囲の人との関係も分からなくなり自分の子供に「お母さん」呼びかけてしまうこともあります。一般的には、この見当識障害は時間⇒場所⇒人の順理解する力が低下していくと言われています。

■理解力・判断力の低下とは

自分の置かれている状況に応じて適切な行動をとったり物事を筋道立てて考えたりする事が出来にくくなる。また、物事の理解に時間がかかり、一度に複数の事を言われたり、行動しようとしたりすると理解が難しくなる状態です。

まとめると 

●考えるスピードの低下

●2つ以上の事が重なると同時に行えない。

●予定以外の出来事に混乱しやすくなる。

※その為、詐欺被害の危険が大きくなってきます。

例)

食材を押し入れに入れたり、洗剤を冷蔵庫に入れてしまう。

入浴後の脱いだ服、新しい服の区別がつかなくなる。

何か困った事が起きても、どうやって解決していいのか分からない。「水道が壊れた時に水道屋さんに電話する」事が分からなくなる。

私の体験談

私が施設で働いていた時の話です。高齢者住宅で生活されていたおばあちゃんが、廊下で転んで骨折し手術・入院後住宅に帰ってきた時に今まで使っていた自室のトイレの認識が出来なくなり部屋の隅っこや廊下で排尿をされるようになりました。3ヶ月程度入院して認知機能が低下したのが原因だと思います。それでもトイレのドアに「トイレはここです」と大きな紙に書いたものを貼ると認識してもらえるようになったことを思い出します。

また、同じ高齢者住宅で生活されていた方は冷蔵庫に歯ブラシのコップや爪切り、くし等を入れていたおばあちゃんがいました。その都度、私達が確認し「元の位置に戻しますよ」と対応していましたが、何度も同じことをお互いが繰り返していたので特に冷蔵庫に入っていても大丈夫そうなものに関しては、そっと見守ることもありました。

※参考文献・資料 認知症介護基礎研修標準テキスト、認知症介護実践者研修テキスト

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