認知症の中核症状とは(実行機能障害・失認)

福祉の話

認知症について、分かりやすくしっかりとお伝えしていきたいと思います。

・実行機能障害とは

・失認とは

・私の体験談

 以前もお伝えしましたが壊れてしまった脳の細胞が担っていた役割が失われることで起こる症状「中核症状」と言います。今回はアルツハイマー型認知症の主な中核症状である、実行機能障害失認について説明していきたいと思います。

■実行機能障害とは

計画的(段取りよく)に行動する事が出来なくなる。これまで出来ていた 掃除、買い物、料理など動作や手順などが分からなくなり段取りよく進める事ができなくなることです。

例)                                            

•夕飯のメニューを考えて、家にある食材と買いに行く食材を選択し、買い物に行くという一連の行  動が出来ない

•料理を作ろうと材料を並べても、何から手をつけて良いのか分からず手が止まってしまう。

•洗面器にお湯を張り、タオルを湿らせて軽く絞り、石鹸をつけて体を洗うまで一人で上手くいかない。

失認とは

運動機能に麻痺などの障害がないにもかかわらず、今まで出来ていた簡単な日常動作が出来なくなる。

例)目的とする行動の方法が分からない。

・歯ブラシが歯を磨くものだと認識出来ない。

・服のボタンを順番にかけていく事が出来なくなる。

・ズボンの履き方を忘れ、足ではなく頭や腕を通してしまう。

私の体験談

私が訪問介護で働いていた時の話です。夫婦二人暮らしで妻が認知症を患っていました。今まで主婦として家事を全てこなしてきた方です。認知症状が進行し今回紹介した実行機能障害の中核症状が見られていました。そこでヘルパーとして訪問に入り一緒に調理をおこないました。味噌汁を作る工程を最初から最後までは1人で行うのは難しくなっていましたが、一つひとつ順番に一緒に作業を行うと問題なく作ることができました。初めてお味噌汁が出来た時、ご本人、ご主人共にとても嬉しそうな表情をされた事を思い出します。今回お伝えした体験談のように具の切り方や茹で時間、味噌の溶かし方を一つひとつ工程を分けて説明することで、本人の残されている力を発揮する事が出来ます。

認知症になったからといって全てが出来なくなるわけではありません。認知症=全て出来ないと周りが思い込み本人の役割を奪ってはいけないと思います。認知症に関わる周りの人達が認知症をしっかりと理解し本人の出来ることを奪わないようにすることも大切なことだと思っています。

※参考文献・資料 認知症介護基礎研修標準テキスト、認知症介護実践者研修テキスト

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