最近、聴いた本「法廷占拠 爆弾2」呉勝浩 著

日々の出来事

はじめに

「正義とは、誰のためにあるのか?」
呉勝浩の最新作『法廷占拠 爆弾2』は、そんな問いを真正面から突きつけてくる社会派サスペンスです。前作『爆弾』では、取調室という閉ざされた空間の中で“言葉”が爆弾となり、人間の心を揺さぶりました。
続編となる本作の舞台は、一転して「法廷」。
法の象徴そのものが占拠されるという前代未聞の事件から、物語は始まります。

呉勝浩らしい緻密な構成と心理描写に加え、今回は「権力と正義」「嘘と真実」というテーマがより深く掘り下げられています。
派手な爆発音がなくても、読者の心の中では確実に何かが崩れ落ちていく—そんな余韻の残る一冊です。

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Amazon.co.jp: 法廷占拠 爆弾2 : 呉 勝浩: 本
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本の紹介

読んだきっかけ

前作『爆弾』の衝撃があまりに強く、あのスズキタゴサクの残した言葉が頭から離れなかったからです。そして本作のタイトルに「法廷占拠」とあるのを見た瞬間、「今度はどんな“爆弾”が仕掛けられるのか」と気になって読み始めました。

爆弾を紹介した記事はこちら↓

最近、聴いた本「爆弾」呉勝浩 著
取調室で繰り広げられる緊迫の心理戦。呉勝浩『爆弾』は、爆弾犯スズキタゴサクと刑事たちの会話から人間の闇を暴く社会派サスペンス。衝撃の結末が心に残る。

あらすじ

物語は、ある裁判中に突如として発生する「法廷占拠事件」から幕を開けます。
覆面姿の集団が裁判を乗っ取り、裁判官や検察官、弁護士、傍聴人までもが人質に。
彼らの要求は「真実を語れ」という不可解な一言だけ。

現場に駆けつけるのは、前作にも登場した高東係長
かつて清宮の部下として爆弾魔スズキタゴサクの取り調べに関わった刑事です。
現在は係長として部下を抱える立場にあり、現場を熟知する“中堅刑事”として、
責任と理想の狭間でもがきながら事件と向き合います。

やがて、法廷占拠の裏には前作の事件と繋がる影が見え始め、再び“スズキタゴサク”という名前が囁かれ始める。
法の下で進められていたはずの裁判が、いつしか「正義とは何か」を問う劇場と化していく——。

読んでみた感想

まず感じたのは、「スケールが広がっているのに、緊張感は少しも薄れていない」ということ。
密室の取り調べから、今回は社会全体を映す法廷劇へ。
それでも、ページをめくる手が止まらないほどの心理戦が続きます。

高東係長というキャラクターは、いわゆる“ヒーロー”ではありません。
正義に燃える熱血刑事でもなく、かといって冷めた現実主義者でもない。
彼の中にあるのは「迷い」や「苦悩」、そして「人としての誠実さ」。
それがあるからこそ、彼の一言一言が重く響きます。

そして呉勝浩らしいのが、単なる犯人探しでは終わらない構成。
事件の真相が明らかになるにつれ、司法制度の歪み、権力の腐敗、そして“言葉”が持つ破壊力が見えてきます。「法を守る者たちこそが、最も危うい存在ではないか」
そんな皮肉すら感じさせる展開に、胸がざわつきました。

作品の魅力

『法廷占拠 爆弾2』の魅力は、なんといってもテーマ性の深さと構成の巧みさ
物語のテンポは速く、まるで映画のような臨場感がありますが、
その中に描かれる「正義」「嘘」「責任」といったキーワードはどれも重く現実的です。

また、法廷という空間は“真実を語る場所”であるはずなのに、本作ではむしろ“最も多くの嘘が語られる場所”として描かれます。人は、正義の名のもとにどこまで他者を裁けるのか。
スズキタゴサクが残した「言葉の爆弾」は、まだ誰の中にも残っているのだと痛感しました。

文章の緊張感と心理描写の繊細さは、前作以上。
聴いた後もしばらく心がざわつく、呉勝浩の真骨頂です。

おすすめ度

前作『爆弾』を読んでからのほうが深く楽しめますが、単独の作品としても十分に理解できる構成です。社会派サスペンスが好きな方、「心に残るどんでん返し」を味わいたい方には間違いなくおすすめ。


まとめ

『法廷占拠 爆弾2』は、ただの続編ではありません。
前作で提示された“言葉の力”というテーマをさらに広げ、今作では「法」と「正義」という社会の根幹を問う作品に進化しています。

事件の謎を追うスリルの裏で、私たちが日常的に信じている“正しさ”がいかに不確かで脆いものかを突きつけてくる。それでも、なお正義を信じようとする高東の姿は、静かな感動を残します。

スズキタゴサクが去っても、彼の“思想”はまだ終わっていない。
『法廷占拠 爆弾2』は、「爆弾」シリーズを真に完成させた一冊です。

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